F3号キャンバス油彩」< 林檎 >
テーブルの上に無造作にそこに置かれた林檎。私にはただそこにあるだけで微笑ましい存在。
薄い色の層をいく層か重ねた画面を、ニードルで軽くスクラッチしてゆく。
剥ぎとられた色彩は淡く、その周りに不思議な空気をまとってゆく。
一度目を終えたら再度淡い色彩で薄く重ねてゆく、乾燥を待つて作業を繰り返す。
やがて薄いヴェールを通り抜けたような光に包まれ、単調な色彩は柔らかな空気に溶け込む。
それは、私の中でSpiritualityな空間へと変容する。
「FWOキャンバス油彩」
< 柘榴と木彫りの小鳥>
なぜだかわからないけれど、昔から柘榴というものに魅力を感じている。
子どものころなどは、きのみなどを見つけると意味もなくワクワクした。
木の実には心を躍らせる何かがあるのかと思えるくらい。なぜか心を惹かれた。当時もそして今も。クルミや柘榴はどこか特別な存在だった。
形だって不思議な魅力が感じられた。そんな柘榴やクルミを見ていると頭の中に様々な想像が広がってくる。他次元を探索する夢の世界。幼かった私にはこの木の実たちはた世界へたどり着くための装置のようなものだったのだろうか。それは、今も続いているように思う。
「28.5× 23.5水彩・鉛筆・アクリル・透明水彩 」
< ジョッキと枯れたカリン>
モチーフにしようと持ち帰ったカリン。台に乗せられたまま気づけば枯れてしまっていた。カリンに限ったことではないが、枯れるのを待っていたわけでもないのに、筆を取る頃はいつも枯れている。いや、枯れてしまったから描いたのかなぁ。
「20・40.0㎝×20.0㎝水彩」
< アルストロメリア>
花の名前は「アルストロメリア」花の名前に疎いのか?名前も知らないまま、ただその姿が気に入って描きました。特別珍しいということもないようで、私の住む近くの家々の庭先にわりと見ることができるらしい。
花の名前を尋ねた花屋さんが話してくれた。一般的に好まれる薔薇や牡丹などもいいけれど、この花もとても美しかった。
「合板にアクリル」
< 三つの実のコンポジション >
秋になると、山や木々の多い公園などでは、木々のいろんな実が、そこらあたりに落ちていたりする。
見つけるたびに手に取って観察したくなる。
「水彩」< 黄色い薔薇のある静物 >
構成を変えて油彩画でも描いてみたくなった。まだ描きたいモチーフたちが順番を待っているのでいつになるからないけど。澄んだガラスは、空間を心地よくしてくれるし、古いものもまたいい。それぞれが持つ時間の流れが通り抜けた光に溶け出している気がするから。
「水彩」< 眠るオルゴール >
壊れたオルゴールは静かに手で回すと音を奏でた。・・・(It's a Small World)!!
There is just one moon and one golden Sun And a smile means friendship to every one
(そこには月が一つ、金色の太陽が一つ。そして、笑顔はみんなにとって友情を意味する)
♩♩♬♪♫
ねじを巻いても音の出ないオルゴール。きっと今は静かに眠っているだけなんだろう。
「SM油彩」< インクボトルとペン >
お気に入りのカフェと雑貨のあるお店で買い求めたもの。使うためというよりは、描きたいという気持ちの方が大きかった。どこかしら私が来るのを待っていたように、棚の上でそっと身構えていたように思えた。
緩やかな時間の中で移ろう古いインクボトルとペンタ、それはただ待ち続けている。
いつか、誰かがこの世界に足を止め、そっとペンを抜き取るその瞬間を。
新たな時が回り始めるのを!